お知らせ|2022.10.07

環境省スタートアップ予算に採択

株式会社イノカは、環境省による公募「令和4年度環境保全研究費補助金(イノベーション創出のための環境スタートアップ研究開発支援事業)」(※1、以下「本事業」)に、10月7日付けで採択されました。
イノカは、高度な環境構築技術(=「環境移送技術」※2)を開発し、海洋に接続していない閉鎖系水槽におけるサンゴの冬季人工産卵に世界で初めて成功しています。本事業では、環境移送技術を活用して海洋生態系テスティングラボを構築。企業の生産活動から生じるさまざまな材料や化学物質の海洋流出などが、サンゴ礁をはじめとした海洋生物系へ与える影響を 科学的に評価するサービス開発を目指します。
さらに、技術の確立のみならずグローバル市場を評価する化粧品メーカーや化学メーカー、素材メーカーなどとの共創で、日本発の海洋保全に関する標準化(規格化)・ルールメイキングも行い、当社がミッションとして掲げる「海の見える化」を日本発の技術として推進していきます。今回のフェーズ1事業では、イノカが独自に開発していたサンゴの健康状態をAIで判定するサンゴの白化評価システムの精度向上を目指します。

・背景
環境省が推進する2030年までに生物多様性の損失を食い止め、回復させる(ネイチャーポジティブ)というゴールに向け、陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全しようとする国際目標とするである30by30をはじめ、生物多様性に世界的な注目が集まっている中、海洋生物のうち25%の種の住処となっているサンゴ礁をはじめ、 様々な海洋生態系が消失の危機を迎えています。
さらに、脱炭素のルール形成を進めたTCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)に続き、2021年に発足したTNFD(Task Force on Nature-related Financial Disclosures)は自然資本・生物多様性に関連する企業の開示承認の策定を推進。 今後、一層体系化とルール形成が進み、上場企業を中心に、どの程度自然に対する影響度や生物多様性に配慮をしているか、非財務指標としての説明が求められるようになると見られます。
しかし、脱炭素が温室効果ガスの排出量で企業活動の影響を評価しやすいのに対し、生物多様性の保全についてはエリア・業態の状況が大きく異なるため、統一的な指標を定めるのが懇談であり、また測定のための技術開発についてもより一層推進する必要があります。
現状では、科学的エビデンスをもとに定量評価するための技術開発面を担える企業や研究機関が少なく、十分な検討がなされていないとの見方もあります。
そこで、日本は世界で4番目の海洋体積を有し、また世界の全800種類のうち450種のサンゴを保有する海洋大国であることから、海洋生態系保全において国際的にイニシアチブを取りながら研究とTNFDが進める評価指標の策定に貢献できるとイノカは考えています。

・概要
本事業によって、海洋生態系テスティングラボを構築し、様々な材料、化学物質の海洋流出等がサンゴ礁をはじめとする海洋生態系へ与える影響に関して、科学的な評価を行うサービスを開発することを目指します。
具体的には、イノカの環境移送技術によって、様々な海洋環境を再現し、その中でサンゴ等の生物を飼育し、その過程を現在のサンゴ白化評価システムを応用・発展させた技術により定量評価していきます。
また、技術の確立のみならずグローバル市場を牽引する化粧品メーカーや化学メーカー、素材メーカーなどとの共創により、日本発の海洋保全に関する標準化(規格化)・ルールメイキングも行うことも期待できます。
今回のフェーズ1支援事業ではこれまでイノカが独自に開発してきたAIを用いて特定の環境におけるサンゴの色や表層の状態を検出、そして評価を行うことでサンゴの白化度合いを定量評価するシステムに環境によらないサンゴの検出機能を付け加えること、また色以外の評価指標を加えることで従来のサンゴ白化システムでは計測できなかったサンゴの種類や白化以外のサンゴの健康状態を判断する評価システムを構築いたします。

※1「 令和4年度環境保全研究費補助金(イノベーション創出のための 環境スタートアップ研究開発支援事業)」https://www.env.go.jp/press/111193.html
※2 環境移送技術:天然海水を使わず、水質(30以上の微量元素の溶存濃度)をはじめに、水温・水流・照明環境・微生物を含んだ様々な生物の関係性など、多岐に渡る運送のバランスを取り寄せながら、自社で開発したIoTデバイスを用いて、任意の生態系を水槽内に再現するイノカ独自の技術。2022年2月、時期をずらしたサンゴの人工産卵に世界で初めて成功。